1１月初め、突然蔵元がやって来て1本のお酒を置いて帰りました。それがこのお酒、「2004年醸造　純米吟醸　常温熟成　無濾過本生原酒」です。

　通常生原酒は冷蔵保管します。当店の氷温冷蔵庫にも多くの生原酒が保管されています。このお酒は冷蔵保管せず、常温でタンクの中に入れたまま保存していたお酒です。濾過も火入れもしていません。しかしそのままほって置いたわけではありません。

　蔵元は随時お酒のチェックをしていました。時間が経つにつれその色は琥珀色となり、どんどんと酒質は変わっていきます。大概のお酒はここで生ひね香が強くなり、その後のお酒は飲めたもんではない酒質へと変わってしまいます。が、このお酒、見事に熟成香をまといました。しかもその変化は今年夏過ぎに突然訪れたと蔵元は言っています。

　実は純米の生原酒を常温保管する事は、最近一部の日本酒フアンで行われています。詳細はわかりませんが、お酒によってはうまく熟成したり失敗したりしているそうです。非常にリスクが高いとの事。又一部蔵元でも常温熟成している蔵もあり、商品として販売しているようです。

　私は個人的にはこのようなお酒はあまり好きではありません。しかしそんな私にもこのお酒のすごさを認めざるを得ませんでした。その訳は・・・・

　　　　　　　　たったこれだけです！　 あとは好みの加水量を見つけてみてください。

　丁寧に造られた純米吟醸生原酒が、4年経って見事に生まれ変わりました。
是非味わって下さい。日本酒の奥深さをとことん感じるお酒です。